源氏物語  花散里 あらすじ 章立て 登場人物

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花散里 あらすじ

源氏 25歳
亡くなった桐壷院の麗景殿女御は院から格別のご寵愛を受けていたわけではなかったが、穏やかで品があり、親しみやすい人だった。院の没後は後見がなく、不如意であったので源氏が庇護していた。内裏でたまさか逢っていた妹の花散里と一緒に住んでいた。花散里訪問の途中、昔一度逢った女の邸の前を通りがかり、惟光に行かせたが、女は内心残念がったが、やんわり拒否されて、もっともだと思う。その時の地の文に、源氏の女に対する扱い方を述べて、

いかなるにつけても、御心の暇なく苦しげなり。年月を経ても、なほかやうに、見しあたり、情け過ぐしたまはぬにしも、なかなか、あまたの人のもの思ひぐさなり。(どんな女でも、源氏は心の休まる時がなく気を遣った。年月を経ても、会ったことのある女には、情けを忘れないので、多くの女たちの物思いの種であった。 )
麗景殿と昔話にふけり、夜遅くなって訪れ花散里を驚かす。花散里は温和な家庭的な性格で、裁縫・染色に堪能で、後に夕霧の母親代わりになり、内助の功に徹する。

花散里 章立て

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11.1 花散里訪問を決意
人知れぬ、御心づからのもの思はしさは、いつとなきことなめれど、かくおほかたの世につけてさへ、わづらはしう思し乱るることのみまされば、もの心細く、世の中なべて厭はしう思しならるるに、さすがなること多かり。
11. 2 中川の女と和歌を贈答
何ばかりの御よそひなく、うちやつして、御前などもなく、忍びて、中川のほどおはし過ぐるに、ささやかなる家の、木立などよしばめるに、よく鳴る琴を、あづまに調べて、掻き合はせ、にぎははしく弾きなすなり。
11. 3 姉麗景殿女御と昔を語る
かの本意の所は、思しやりつるもしるく、人目なく、静かにておはするありさまを見たまふも、いとあはれなり。まづ、女御の御方にて、昔の御物語など聞こえたまふに、夜更けにけり。
11. 4 花散里を訪問
西面には、わざとなく、忍びやかにうち振る舞ひたまひて、覗きたまへるも、めづらしきに添へて、世に目なれぬ御さまなれば、つらさも忘れぬべし。

花散里 登場人物

  • 光る源氏  ひかるげんじ  二十五歳 参議兼近衛右大将 ····· (呼称)大将殿
  • 花散里  はなちるさと  麗景殿女御の妹 源氏の恋人 ····· (呼称)三の君
  • 麗景殿女御  れいけいでんのにょうご  故桐壷院の女御 ····· (呼称)麗景殿・女御
  • 惟光   これみつ  源氏の乳母子 ····· (呼称)惟光

※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

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源氏物語  花散里 あらすじ 章立て 登場人物

公開日2018年2月12日/改定2023年2月11日