源氏物語を読む 薄雲 あらすじ

HOME表紙へ 源氏物語・目次 薄雲

18 薄雲 あらすじ

19.1 明石の君は、冬になって大井の暮らしが心細くなり、姫君を紫の上に渡して育ててもらうことに、様々に思い悩むのだった。
19.2 尼君の説得もあり、陰陽師の占いも、すべて移した方が良いとのことだったので、明石の君は泣く泣く姫君を移すことにした。つれづれを慰める良き相手だった乳母ともお別れであった。
19.3 明石の君と乳母は、別れを嘆き、歌を交わすのであった。
19.4 雪が融ける頃、君はお越しになり、姫君をお連れした。明石の君は端にまで見送りにでて、悲しみに沈むのだった。
19.5 暗くなってから、姫君二条院へ着いた。元来素直なお子だったので、紫の上にもよくなついた。御袴着の儀も滞りなく行われた。特別な準備がされたこともなかったが、見事なものだった。
19.6 大井では、寂しく無聊をかこつことに加え、姫君を手放したことを責め、嘆くのだった。
19.7 年も改まり、邸は年賀の客で にぎわうのだった。東の院の対にお住まいの花散里は、おおらかな性格で、分相応の身に満足しており、君も差別をつけなかったので、別当たちもよくはげみ、万事きちんとされて、実に好ましい暮らしぶりであった。 
19.8 公私共に忙しかったが、源氏は大井で過ごしている明石の君を忘れず、美しく身なりを調えて、お出かけになるのだった。
19.9 源氏は、嵯峨野の御堂や桂院に行くことを口実として、大井の明石の君の所に寄り、泊まることもあった。明石の君も源氏の心をよく知って、出過ぎたことをせず、み心にかなうお扱いをするのだった。源氏は明石の君と琵琶と琴の合奏をし、その音色に感心するのだった。
19.10 その頃、太政大臣が亡くなった。源氏はよろずのことを押し付けてやってもらっていたので、忙しくなるのを懸念した。また世の中に変事が続き、朝廷にもいろいろお告げが奏上されたのだった。源氏は、心中ひそかに心配することがあった。
19.11 藤壺入道は、病に伏せ、三月頃は特に重くなっている。人に勝れて栄達を極めた人であったが、まだ飽き足らぬこともあり、また帝に出生の秘密を告げられなかったことが気がかりで、思いをこの世に残すのであった。
19.12 そうこうして、藤壺入道は崩御した。晩年は病にも関わらず、仏事のお勤めは怠ることなかった。源氏の嘆くこと、極まりなかった。
19.13 藤壷入道は、人柄もやさしく、誰にも慈悲の心で接していたのだ、みながその崩御を嘆くのだった。源氏は御念誦堂にこもって一日中泣いていた。「入り日さすにたなびく薄雲は もの思ふ袖に色やまがえる」源氏が一人念誦堂で詠んだ歌から巻名を取られた。
19.14 藤壺入道の法事がすみ、諸事が静まったころ、帝は心細くなっていた。そのとき、藤壷側の代々の祈祷の師をしていた僧都が、呼び寄せられたまま、内裏にも控えるようにいわれていた。ある夜、僧都が奏上するには、黙っていてお上にもお知らせしないのは、自分の罪も重く嘆かわしいことです、といいかけるのであった。
19.15 こうして老僧は、帝の父は桐壷院ではなく、源氏の子であることを告げるのだった。今の世の天変地異も帝がこれを知らぬことが原因であると奏上するのだった。帝は大変驚き、泣くのであった。
19.16 帝は、世が騒がしくまた高貴なかたが続い亡くなるので、退位をほのめかすが、源氏は唐土はわが国の治世の例をあげて、聖賢の世にも乱れたことが起こるし、必ずしも政のせいではないと諌めるだった。源氏は帝の様子がすこしおかしいとは思ったが、帝が事情をはっきり知ったことまでは察することはできなかった。
19.17 帝は唐土やわが国に事例があるかどうか学問してみたが、唐土にはそのようなことが知られていたが、わが国では見つけられなかった。秘すべきことがどうして、現れようか。しきりと譲位を思うのだった。
19.18 秋の司召のとき、帝のそれとなく譲位の話を申し出たが源氏は峻拒するのだった。誰が帝にあのことを漏らしたのか、考えあぐね、王命婦のところに行ってそれとなく尋ねてみたが、分からなかった。
19.19 斎宮の女御は、実に適任の世話役で、帝のご寵愛も厚かった。二条院に里帰りしても、源氏はすっかり親代わりに振舞うのだった。
19.20 里帰りした斎宮の女御の対に行き、御簾のみを隔てて、源氏はなつかしげに昔の思い出にふけるのだった。
19.21 源氏は斎宮に、昔から言われ春と秋のどちらがいいかの話題を出し、斎宮にそれとなく自分の恋を伝えるが、斎宮には嫌われるてしまうのだった。
19.22 源氏はまだ斎宮に恋心をだく自分に驚くが、断られてもう分別を悟る年なのだと思うのだった。
19.23 源氏は大井に住む明石の上のことも常に気がかりであったが、忙しい身になったので、気楽にはいけないのだった。嵯峨堂での勤行を口実にして、訪問するのだったが、なかなか明石の上を慰めるのに苦労するのだった。

HOME表紙へ 源氏物語・目次 薄雲
公開日2019年1月31日