源氏物語  梅枝 あらすじ 章立て 登場人物

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梅枝 あらすじ

源氏39才 太政大臣
年が明けて、明石の姫君の裳着の儀式の準備に余念がない。二月には春宮の加冠の儀が予定されており、それに合わせて姫を入内させる計画である。裳着の当日、なぜか、明石の君は呼ばなかった。秋好む中宮に腰結いの役を頼んだ。
正月の暇な折、源氏の邸では、太宰の大弐の献上品も加え、薫香比べを企画した。二品以上の品を組み合わせるのである。兵部卿の宮が来たので、薫香比べの判者を頼んだ。その後は、内大臣の子息たちも来て、宴游が行われた。
入内の準備のひとつとして、草子が集まられた。また装丁をした冊子をよういして、知りうる名筆に製作を依頼した。その中で、源氏は、近世の名筆として、六条の御息所を挙げていて、手習いの時みて衝撃を受けたと語っている。当代の、名筆として朧月夜と朝顔の君と紫の上を挙げる。また自分も負けないものを書くと自負している。

梅枝 章立て

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32.1 六条院の薫物合せの準備
 御裳着もぎのこと、思しいそぐ御心おきて、世の常ならず。春宮も同じ二月に、御かうぶりのことあるべければ、やがて御参りもうち続くべきにや。
32.2 二月十日、薫物合せ
 二月の十日、雨すこし降りて、御前近き紅梅盛りに、色も香も似るものなきほどに、兵部卿宮渡りたまへり。
32.3 御方々の薫物
 このついでに、御方々の合はせたまふども、おのおの御使して、 「この夕暮れのしめりにこころみむ」 と聞こえたまへれば、さまざまをかしうしなして奉りたまへり。
32.4 薫物合せ後の饗宴
 月さし出でぬれば、大御酒など参りて、昔の御物語などしたまふ。霞める月の影心にくきを、雨の名残の風すこし吹きて、花の香なつかしきに、御殿のあたり言ひ知らず匂ひ満ちて、人の御心地いと艶あり。
32.5 明石の姫君の裳着
 かくて、西の御殿に、戌の時に渡りたまふ。
32.6 明石の姫君の入内準備
 春宮の御元服は、二十余日のほどになむありける。
32.7 源氏の仮名論議
 「よろづのこと、昔には劣りざまに、浅くなりゆく世の末なれど、仮名のみなむ、今の世はいと際なくなりたる。古き跡は、定まれるやうにはあれど、広き心ゆたかならず、一筋に通ひてなむありける。
32.8 草子執筆の依頼
墨、筆、並びなく選り出でて、例の所々に、ただならぬ御消息あれば、人びと、難きことに思して、返かえさひ申したまふもあれば、まめやかに聞こえたまふ。
32.9 兵部卿宮、草子を持参
 「兵部卿宮渡りたまふ」と聞こゆれば、おどろきて、御直衣たてまつり、御茵参り添へさせたまひて、やがて待ち取り、入れたてまつりたまふ。
32.10 他の人々持参の草子
 左衛門督は、ことことしうかしこげなる筋をのみ好みて書きたれど、たまふ。
32.11 古万葉集と古今和歌集
 今日はまた、手のことどものたまひ暮らし、さまざまの継紙つぎがみの本ども、選り出でさせたまへるついでに、御子の侍従して、宮にさぶらふ本ども取りに遣はす。
32.12 内大臣家の近況
 内の大臣は、この御いそぎを、人の上にて聞きたまふも、いみじう心もとなく、さうざうしと思す。
32.13 源氏、夕霧に結婚の教訓
 大臣は、「あやしう浮きたるさまかな」と、思し悩みて、 「かのわたりのこと、思ひ絶えにたらば、右大臣、中務宮などの、けしきばみ言はせたまふめるを、いづくも思ひ定められよ」 とのたまへど、ものも聞こえたまはず、かしこまりたる御さまにてさぶらひたまふ。
32.14/ 夕霧と雲居の雁の仲
 †かやうなる御諌めにつきて、戯れにても他ざまの心を思ひかかるは、あはれに、人やりならずおぼえたまふ。

梅枝 登場人物

  • 光る源氏  ひかるげんじ  呼称---大臣・大殿・殿、三十九歳
  • 夕霧  ゆうぎり  呼称---宰相中将・宰相の君、光る源氏の長男
  • 内大臣  ないだいじん  呼称----内の大殿・内の大臣・大臣
  • 柏木  かしわぎ  呼称---頭中将
  • 紫の上  むらさきのうえ  呼称---対の上・上
  • 花散里  花散里  呼称---夏の御方
  • 秋好中宮  あきこのむちゅうぐう  呼称---中宮・宮
  • 蛍兵部卿宮  ほたるひょうぶきょうのみや  呼称---兵部卿宮・宮・親王
  • 明石御方  あかしのおんかた  呼称---冬の御方・母君
  • 明石姫君  あかしのひめぎみ  呼称---御方
  • 雲井雁  くもいのかり  呼称---姫君・女、内大臣の娘、夕霧の恋人

※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

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源氏物語  梅枝 あらすじ 章立て 登場人物

公開日2020年//月//日/ 改定2023年5月22日