『パンセ』を読む

第ニ章 神なき人間の惨めさ

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虚栄はかくも深く人間の心に錨をおろしているので、兵士も、従卒も、料理人も、人足も、それぞれ 自慢し、自分に感心してくれる人たちを得ようとする。そして哲学者たちでさえ、それを欲しがるのである。 また、それに反対して書いている人たちも、それを上手に書いたという誉れが欲しいのである。彼らの書いたものを 読む人たちは、それを読んだという誉れがほしいのだ。そして、これを書いている私だって、おそらくその欲望を持ち、 これを読む人たちも、おそらく・・・

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公開日2008年1月29日