『パンセ』を読む

第五章 正義と現象の理由

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プラトンやアリストテレスと言えば、長い学者服を着た人としか想像しない。彼らだって人並みの 人間で、ほかの人たちと同様に、友だちと談笑していたのだ。そして彼らが『法律』や『政治学』の 著作に興じていたときには、遊び半分にやったのだ。それは、彼らの生活の最も哲学者らしくなく、 最も真剣でない部分であった。最も哲学者らしい部分は、単純に静かに生きることであった。
彼らが政治論を書いたのは、気違いの病院を規整するためのようなものであった。
そして、彼らがいかにも重大なことのようにそれについて語ったのは、彼らの話し相手の気違いどもが、 自分たちは王や皇帝であると思い込んでいるのを知っていたからである。彼らは、気違い連中の狂愚を できるだけ害の少ないものにおさえようとして、連中の諸原則のなかにはいりこんだのである。

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公開日2008年2月17日