『パンセ』を読む

第七章 道徳と教義

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各人は各自にとって一つの全である。なぜなら、彼が死ねば、彼にとってすべてのものは死ぬからである。 ここからして各人はすべてのものにとって全部であると思うようになる(1)。 自然はわれわれの立場から判断すべきでなく、それ自身によって判断すべきである。

(1)パウロの「私はすべての人に対して、すべての人のようになった」(『コリント人への第一の手紙』9の22) と正反対の態度である。

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公開日2008年4月20日