二月

寒波が関東南部まで押し寄せてきた
二月はいつも危険な季節だ

何故かわからぬが気が滅入る
誰にも会わないですむように
うつむいて歩いている

居間のソファにだらしなく座って
書棚の一角をぼんやり見ている

お母さんと順ちゃんの写真がある
その奥に小さい骨壺が並んでいる

どうして死んでしまったのか
まだすることが沢山あったのに

どうして死んでしまったのか
わたしのように
生きることは空しいなどと考えてはいなかったのに

平成二十七年二月
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