この世界で

世界にはたくさんの言葉があって
それぞれに異なった世界観のなかで
人びとは生きている

生まれた土地で
言葉を学び世界を知ってゆく
まるで生得のものであるかのように

そこに生まれたのがなぜあなたであって
わたしではなかったのか
誰が知りえよう

なぜその地であって
この地ではなかったのか

なぜそのときであって
他の時代ときでなかったのか
誰が知りえよう

不可逆の大きな大きな大きな流れのなかで
小さな小さな偶然があって
わたしたちは生まれ
あるものは信じ
あるものは不信じ
抗い
死んでゆく

これを知る
寂しさ
これを知る
空しさ

令和元年七月
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