十月の空

十月の空に
雲が薄くたなびいている
少し見えてきた青空をよぎって
かすかに風が吹いている

昨日と同じ空なのに
とつぜん世界が反転して
この世にひとりでいるようだ

ふらふらとやって来た海辺の公園
日が落ちて
灯りがともり
風がかすかにわたり
小さな波を立てている
いつもと同じ世界に
夕闇がおりている

亜紀ちゃん
今年いっぱいの命かも知れないなんて
若いあなたがもっとたくさん生きられないのか
いかにも
生きていることがよく似合っているあなたなのに

平成三十年十月
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