源氏物語  常夏 あらすじ 章立て 登場人物

HOME表紙へ 源氏物語 目次 26 常夏

常夏 あらすじ

 (源氏 36才)
光る源氏の太政大臣時代三十六歳の盛夏の物語

源氏は相変わらず玉鬘への恋慕が止まず、折々に玉鬘を訪れていた。
真夏の暑い日、源氏は釣り殿にでて、夕霧や右愛大臣の子らも皆来て涼んでいる。近頃噂になっている近江の君が話題になった。近江の君は、柏木が近江の田舎で、父内大臣の子だという娘を見つけて、邸に引きとったのだった。人々は、近江に君の破天荒な振舞に、あきれ、扱いかねていた。内大臣は、弘徽殿女御が里帰りの間、女御に預けて、しつけてもらおうと思った。

常夏 章立て

※ 見出しをクリックすると本文に飛びます
26.1 六条院釣殿の納涼
 いと暑き日、東の釣殿に出でたまひて涼みたまふ。
26.2 近江の君の噂
「いかで聞きしことぞや、大臣のほか腹の娘尋ね出でて、かしづきたまふなるとまねぶ人ありしかば、まことにや」 と、弁少将に問ひたまへば、 「ことことしく、さまで言ひなすべきことにもはべらざりけるを。
25.3 源氏、玉鬘を訪う
夕つけゆく風、いと涼しくて、帰り憂く若き人びとは思ひたり。
26.4 源氏、玉鬘と和琴について語る
 月もなきころなれば、燈籠に御殿油参れり。
26.5 源氏、玉鬘と和歌を唱和
人びと近くさぶらへば、例の戯れごともえ聞こえたまはで、 「撫子を飽かでも、この人びとの立ち去りぬるかな。
26.6 源氏、玉鬘への恋慕に苦悩
渡りたまふことも、あまりうちしきり、人の見たてまつり咎むべきほどは、心の鬼に思しとどめて、さるべきことをし出でて、御文の通はぬ折なし。ただこの御ことのみ、明け暮れ御心にはかかりたり。
26.7 玉鬘の噂
内の大殿は、この今の御女むすめのことを、 「殿の人も許さず、軽み言ひ、世にもほきたることと誹りきこゆ」と、聞きたまふに、 少将の、ことのついでに、太政大臣の「さることや」ととぶらひたまひしこと、語りきこゆれば、 「さかし。
26.8 内大臣、雲井雁を訪う
とかく思しめぐらすままに、ゆくりもなく軽らかにはひ渡りたまへり。
26.9 内大臣、近江君の処遇に苦慮
 大臣、この北の対の今姫君を、 「いかにせむ。さかしらに迎へ率て来て。人かく誹るとて、返し送らむも、いと軽々しく、もの狂ほしきやうなり。
26.10 内大臣、近江君を訪う
やがて、この御方のたよりに、たたずみおはして、のぞきたまへば、簾高くおし張りて、五節の君とて、されたる若人のあると、双六をぞ打ちたまふ。手をいと切におしもみて、 「せうさい、せうさい」 とこふ声ぞ、いと舌疾どきや。
26.11 近江君の性情
「舌の本性にこそははべらめ。
26.12 近江君、血筋を誇りに思う
よき四位五位たちの、いつききこえて、 うち身じろきたまふにも、いといかめしき御勢ひなるを見送りきこえて、 「いで、あな、めでたのわが親や。かかりける胤ながら、あやしき小家に生ひ出でけること」 とのたまふ。
26.13 近江君の手紙
「さて、女御殿に参れとのたまひつるを、しぶしぶなるさまならば、ものしくもこそ思せ。夜さりまうでむ。大臣の君、天下に思すとも、この御方々のすげなくしたまはむには、殿のうちには立てりなむはや」 とのたまふ。
26.14 女御の返事
樋洗童しも、いと馴れてきよげなる、今参りなりけり。

登場人物

  • 光る源氏  ひかるげんじ  呼称---大臣・太政大臣、三十六歳
  • 夕霧  ゆうぎり  呼称---中将・中将の君、光る源氏の長男
  • 紫の上  むらさきのうえ  呼称---春の上、源氏の正妻
  • 玉鬘  たまかづら  呼称---対の姫君・西の対・姫君・撫子・今姫君・君、内大臣の娘
  • 内大臣  ないだいじん  呼称---内の大臣・内の大殿・大臣・大臣の君
  • 蛍兵部卿宮  ほたるひょうぶきょうのみや  呼称---兵部卿宮・宮・親王
  • 柏木  かしわぎ  呼称---右中将・中将の朝臣・中将
  • 明石御方  あかしのおほんかた  呼称----明石のおもと
  • 明石姫君  あかしのひめぎみ  呼称---后がねの姫君・君
  • 鬚黒大将  ひげくろだいしょう  呼称---大将
  • 近江の君  おうみのきみ  呼称---今の御女・北の対の今姫君・御方・女、内大臣の娘
  • 弘徽殿女御  こきでんのにょうご  呼称---女御の御方・女御の君・女御殿・女御・御方
  • ※ このページは、渋谷栄一氏の源氏物語の世界によっています。人物の紹介、見出し区分等すべて、氏のサイトからいただき、そのまま載せました。ただしあらすじは自前。氏の驚くべき労作に感謝します。

    HOME表紙へ 源氏物語 目次 26 常夏

    源氏物語  常夏 あらすじ 章立て 登場人物

    公開日2019年7月27日/改定2023年5月2日