私はソクラテスではないから

クサンチッペは
自分にふりかかる不機嫌と不如意は
全部ソクラテスにぶっつけた
思いっきり
軽蔑しきった顔つきで

いわく
役立たず
ごくつぶし
利己主義者
どっちゃんこ!
小声で注意すると
今度言ったら殺してやる
そして最後は決定的な言葉を浴びせかける
・・・・ ・・・・・・ ・・・・・

ソクラテスは黙っているが
全然落ち込まなかったのだろうか
まったくこりずに
若者に結婚をすすめている
 良妻を得れば幸せになれる
 悪妻を得れば哲学者になれる

・・・
私は
哲学者ではないから
聞き流してはいるのだが
さすがにちょっと落ち込むのだ

二00七年四月
前頁 詩篇トップ 次頁 HOME