岡本太郎の椅子

岡本太郎の作品に
座ることを拒否する椅子というのがあった

椅子というのは
座るためにあるのだし
座ることを拒否してなお椅子が存在するとは・・・

歩いているとき ふと
言葉にならない言葉を吐き出している
ぎこちなく生きてきた恥ずかしさから
存在ることの慙愧の念から


そこに
岡本太郎の椅子がある
椅子はいつまでもあって
そして言うのだ
座ることをやめよ
歩き続けよ

二○○五年十一月記
更新二○○九年三月二十四日
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