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神に願いごとをしてはならない

いうまでもないことだが、神は見えない存在である。つまり精神的な存在だ。社の奥に座っていて、一人一人の悩みや願いごとを聞いて、癒したり叶えたりする存在ではない。神はただ、「そこに存在している」だけだ。私はそう思っている。我々は肉体を持っているから欲望や情念に左右される。だが神は精神的世界の存在であるから、人間の欲望や情念に呼応するわけがないのである。だから神に現実世界の願いごと、病気を治すことや金儲けや入学や縁談を頼むのは間違っている。

神に頼みごとをしてはならない。したところでだからどうということはない。神に祈る時は、ただひとつ、感謝を捧げればそれでよい。-それが私が辿りついた祈り方である。生かされていることの感謝。無私謙虚な感謝の念を送るのが「祈り」だと私は考えている。そんなふうに祈る時、その波動が神の波動と同調して、その人の波動が上がるといわれている。波動が上がれば現実世界の欲や情念に惑うことはなくなっていく。そして清浄な気のエネルギーが生まれて、自然に現象として「よいこと」が起こる。

『かくて老兵は消えてゆく』佐藤愛子『人間の煩悩』
   

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公開日2001年10月28日